障がい者の文化芸術活動では,障がい者が創造や発信に主体的に関わることが重視されている。しかし,その一形態であるインクルーシブダンスを地域社会に開かれた文化活動へと展開する事例の分析は十分ではない。そこで本稿では,岡山県の「うらじゃ」祭りにおいて発足したインクルーシブ踊り連「一期一会〜輪舞温羅」を対象に,インクルーシブうらじゃダンスの開発および実践過程を整理した。活動記録,映像記録,活動資料をもとに分析した結果,表現内容や実施方法,演舞環境が,参加者の心身の特性を踏まえて段階的に調整されていたことが明らかとなった。また,参加者の主観的運動強度は主に「楽」から「ややきつい」の範囲に分布し,活動満足度も高い傾向を示した。以上より,本プロジェクトは,地域文化を基盤としたインクルーシブな身体表現活動に関する基礎的知見を提供するものであると考えられる。