Bulletin of Center for Teacher Education and Development, Okayama University (ISSN 2186-1323)
Published by Center for Teacher Education and Development, Okayama University

中学校理科教科書がつくり上げてきたきのこ像 ―通時的調査から得るきのこを巡る学習への示唆―

髙木 里彩 岡山大学大学院教育学研究科大学院生
池田 匡史 岡山大学学術研究院教育学域
山本 将也 兵庫教育大学大学院学校教育研究科
発行日
2025-03-28
抄録
 本稿では,戦後中学校理科検定教科書におけるきのこの扱われ方,すなわち学習者が受け取ることになるきのこ像について,①どのようなきのこが扱われてきたのか,②植物に分類されているか否か,③きのこのからだは何で形成されているのか,④生態系における働きの四つの観点から,通時的な調査によって明らかにした。全47種がこれまでの理科教科書で登場してきたが,近年は種への意識というよりも,きのこが分解者としての役割を持つことにのみ焦点が当てられてきていることを指摘した。また,これまで教科書においては菌根性のきのこ自体について取り上げられつつも,その生態系における相利共生の観点への言及はないことから,相利共生の理解を目指す学習の開発が可能性として浮かび上がってくることも指摘した。
キーワード
菌類 (Fungus)
菌根菌 (Mycorrhizal Fungi)
腐生菌 (Saprobic Fungi)
相利共生 (Symbiosis)
教材史 (History of teaching materials)
備考
研究論文
ISSN
2186-1323
JaLCDOI