本研究は,法に基づいて構成される初等教育段階の社会科の内容構成原理を明らかにするため,米国の初等法教育教材『民主主義の基礎(FOUNDATIONS of DEMOCRACY)』を分析したものである。日本における法教育研究は,1990年代後半から,米国の法教育研究を紹介する形で始まり,その後,数多くの米国の法関連教育教材が日本に紹介され,その分析に基づく研究成果が蓄積されてきた。しかし,それらの研究の多くは,中等教育段階のものであり,初等教育を対象とする法教育の研究は多くはない。本研究は,初等社会科としての法教育に焦点を当て,その内容構成を明らかにしようとする点に独自性がある。本研究で取り上げる『民主主義の基礎』は,日本でも注目され,複数の研究者によって分析されている。本研究では,それらの先行研究をふまえつつ,これまでの研究では十分解明されていなかった内容構成原理の解明を目指す。