保育現場では音楽活動の重要性が指摘される一方,多くの保育者が音楽に対する苦手意識を持つ。本研究では,音楽を専門技能に限定せず,日常の音や身体遊びも含めて捉える視点を提示し,音楽表現への理解を深める研修プログラムを検討した。講義,即興性を取り入れた遊び歌,わらべうたを用いた身体表現の三要素から成る研修を現職保育者36名に実施した。研修前後の自己評価は全項目で上昇し,特に身近な音の活用や伝承的音楽の実践可能性で大きな改善が見られた。保育経験別の分析では,初任・中堅・熟練の全てで有意な向上が確認され,熟練保育者で最も伸び幅が大きかった。今後は自由記述の質的分析や継続的な研修体系の構築,子どもへの効果の検討が課題である。