本論は,ジャーマン・インパクトを視座として,19-20 世紀にかけて教員養成改革がいかに展開されてきたのかを解明する研究の一部をなすものである。ここでは20 世紀初頭のイギリス教員がどのようにヘルバルト学派の教育思想を受容したのかを明らかにすることを目的とし,『ヘルバルト教授法にかんする授業ノート』の分析を行った。その結果,以下の共通点と相違点が明らかとなった。授業冒頭において目的を明らかにし,授業で学ばれる内容へと子どもの意識を集中させ,新しい知識を教授するという流れは,ヘルバルト学派の五段階教授法と共通していた。だが,第四および第五段階については大胆な変更が施されていた。20 世紀初頭のイギリス教員がヘルバルト学派の教育思想を正確に受容するよりも選択的に受容した可能性があることを解明した。