本論は,日本への受容・導入期から実践期に移行しつつあるレッジョ・エミリア教育に関して正しく理解を深めるためには,何が問題や課題になるかについて考察する。第1に,レッジョ・エミリア市の子どもの造形芸術の背景にある造形原理や教育原理を正しく把握する必要がある。第2に,幼児教育を基礎から学び,子どもの造形表現を研究し,美術制作と鑑賞に従事できる「アトリエリスタ」養成の仕組み作りが要請される。第3に,日本の保育理念である「遊び=学び」の上位概念として「プロジェクト」を位置付け,根本的な保育理念の転換が求められる。第4に,子どもの主体性を大切にした保育実践のために,年間行事を精選しなければならない。第5に,これまでの日本の保育記録の仕方を「ドキュメンテーション」に代替できるかどうかの検討が不可欠である。
レッジョ・エミリア教育 (Reggio Emilia approach)
芸術性の理解 (understanding artistry)
アトリエリスタの養成 (atelierista training)
プロジェクト (project)
ドキュメンテーション (documentation)