本研究は,社会認識の基盤を形成することを目指した生活科授業の構成原理を,身近な人々との関わりの捉えさせ方に焦点をあて,提案するものである。具体的には,給食を取り上げた食育プログラムの開発を通して,人々との直接的な関わりから間接的な関わりの認識へと視点を転換することを通して,児童の社会認識の範囲を少しずつ拡大し,中学年以降の社会科の目標となる科学的な社会認識の基盤を形成することを目指す。給食という児童にとって学校生活の中でも関心の高い事象を取り上げ,調理員など直接的な関わりを捉えられる人々だけではなく農家の人など間接的にしか自分との関わりが捉えられない人々へと対象を拡大することで,科学的な社会認識の基盤を形成するための視点を獲得させる授業を提案する。
生活科(life science)
社会認識(social awareness)
食育(nutrition education)
人々の関わり(people's relationship)