本研究では,大学部活動のチームにおける目標設定が部活動適応感に及ぼす影響について,個人目標と集団目標の整合性に着目して検討した。大学生187 名を対象に質問紙調査を実施し,個人目標・集団目標の4 要素(困難度,具体性,関与度,フィードバック),目標の整合性,そして部活動適応感を測定した。重回帰分析の結果,目標の整合性は,「活動への傾倒」と「組織・成員への満足」に正の効果を示した。また,集団目標の関与度も適応感を高める要因であった。さらに,整合性は目標要素の効果を調整していた。整合性が高い場合には個人目標への関与度が「活動への傾倒」を促進し,低い場合には集団目標のフィードバックが補完的に機能していた。これらの知見から,目標の整合性が,個人目標と集団目標の葛藤を緩和し,部活動における心理的適応を支える重要な要因であることが示唆された。