自己愛的な傷つきやすさを測定するために筆者らが作成した自己愛的脆弱性尺度(NVS)短縮版の妥当性を検討した。具体的には,NVS以外に,他の自己愛尺度である自己愛人格目録(NPI)も併用して,自己愛の誇大的・顕示的側面と過敏・脆弱な側面が友人関係にどのように影響するかを検討した。友人関係としては,自己隠蔽,被愛願望,気遣い,対立不安の4つの側面を取り上げた。その結果,NVSとNPIの下位尺度では友人関係への影響が異なる点が見出され,NVSの有用性が確認された。また,NPIの3下位尺度のうち,注目・賞賛
欲求と他の2下位尺度は性格を異にする尺度であるという示唆も得られた。