P.acnesを皮内前感作した後、P.acnes菌体壁成分をimcomplete Freund's adjuvantと共に気管内に投与して作製した実験的肺肉芽腫症モルモットにおける抗P.acnes抗体について検討した。気管支肺胞洗浄液中抗P.acnes抗体価は気管内投与後1週目ピークを示し2週目までは上昇が認められ、4週目では気管内投与前の値に復した。この経過は肺胞内リンパ球数の変動と軌を一にしており、抗体価とリンパ球数の間には正の強い相関が認められた。血清中の抗P.acnes抗体価は1週目に低下が認められ、2週以後に徐々に回復して4週以後は元に戻った。P.acnesの気管内投与により血清中の抗体は肺へと移行し、リンパ球浸潤による胞隔炎、更には類上皮細胞肉芽腫の形成にP.acnesの関与を示すものであった。
サルコイドーシス (sarcoidosis)
プロピオニバクテリウム (propionibacteium acnes)
肺肉芽腫症 (pulmonary granulomatosis)
動物実験モデル (experimental model)
気管支肺胞洗浄液 (bronchoalveolar lavage)