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ID 547
Eprint ID
547
フルテキストURL
タイトル(別表記)
Properties of the Soil Moisture and the Growth of "Muscat" Grape in the Computer-controlled Greenhouse for Pomological Studies
著者
中野 幹夫 岡山大学
鈴木 実 岡山大学
島村 和夫 岡山大学
抄録
本学部附属農場・果樹園装置化施設内の大温室における水分特性を中心とした土壌の物理性を明らかにするとともに,灌水試験によるブドウ,"マスカット・オブ・アレキサンドリア"樹の生育について調査した. 1)本温室における土壌(マサ土)の三相分布では固相が70%にも及んでいた. 2)最大圃場容水量は30%以下,水分当量は10%以下となり,水分当量から萎凋係数までには2~3%の水分を含むにすぎず,極めて保水性の乏しい土壌であった. 3)透水係数は地下30cmまでは1~2×10-3cmsecであったが,それ以上深い場所,またはpF2.6(地下15cm)程度まで乾燥した場合,8.1mmの灌水では水分の移動が観測されなかった. 4)発芽前より収穫期までを果実の発育第I期中期を境に2分して前,後期とし,灌水量の多少の組合わせにより4区を設けて栽培したところ,前期少量灌水した区では新梢の初期生長が優ったのに対し,前期多量灌水区では開花期前後より旺盛な生育を示した. 5)果粒の肥大には果実発育の第I期後半から差がみられ,前期に多量灌水した区が優った. しかし,この区では縮果病の発生が7割程度多かった. 6)葉のみかけの光合成量と蒸散量を全期少量灌水区と全期多量灌水区において測定した結果,光合成量は後者の方が多かったが,蒸散量にはほとんど差はみられなかった. 7)根群分布を落葉後の12月に調査したところ,各区とも温室中央部は根域が浅く20~40cmであったのに対し,外側よりの樹は地下60cm付近に多かった. それは室中央部の地下30cm付近に著しく土壌硬度の高い層があったことによるためと思われる. これが幼木育成期より温室中央付近の樹の生育が悪いことの原因と思われる。
発行日
1979
出版物タイトル
岡山大学農学部学術報告
出版物タイトル(別表記)
Scientific Reports of the Faculty of Agriculture Okayama University
53巻
1号
出版者
岡山大学農学部
出版者(別表記)
Faculty of Agriculture, Okayama University
開始ページ
43
終了ページ
54
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029
資料タイプ
紀要論文
言語
日本語
論文のバージョン
publisher
査読
無し
Eprints Journal Name
srfa