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ID 172
Eprint ID
172
フルテキストURL
タイトル(別表記)
Growth Form of the Experimental Population of Azuki-Bean Weevils under an Insecticide Treatment
著者
清久 正夫 岡山大学
抄録
この実験はアズキゾウムシ実験個体群により,雌雄1対の個体が世代から世代へ増殖する期間中に,マラソンとDDTの乳剤を散布するとどのような個体群生長形が見られるか,またそれが殺虫剤の散布をしなかった場合の生長形とどのように異なるかを調べ,併せてそれら生長形の成因を論じたものである.1.殺虫剤処理区に見られる個体群生長形は従来からショウジョウバエやコクヌスットモドキで知られたLogistic Curveであって,その上方漸近線の高さは通常未処理区より高くなった.これに対し殺虫剤の処理をしなかった場合のそれは,上記のようなLogistic Curveよりもむしろ発生初期は指数曲線に近く,最高の密度に到達してから後は1種の双曲線であった.2.前者がLogistic Curveを示す理由は発生初期より1部の個体が殺虫剤により調節され,増殖率がLogistic Curveの式dN/dt=N(r-iN)に従がうからである.これに対し後者の生長曲線が初期に指数曲線を示した理由は,この虫の発生初期の環境が増殖に対してきわめて良好であるので,個体群が生物増殖の原則(即ちdN/dt=rN)にしたがい生長するからである.ところがそれ以後双曲線を示す理由はこれまでの理想環境が急激に,増殖に対してきびしい環境に変化するので虫の増殖率と密度の関係が示す方式に従がって個体群生長が急激に圧えられるからである.3.殺虫剤処理区のLogitstic Curveの上方漸近線がより高くなる理由は1部の個体が殺虫剤により調節された結果,その密度圧が比較的低いことに帰因するように思われるが,厳密に言うとその様な密度依存現象のみが主な原因ではなく,虫の発生中に上式のrおよび(r-iN)が殺虫剤に調整されて増加することが重要な原因であると考える。
発行日
1964
出版物タイトル
岡山大学農学部学術報告
出版物タイトル(別表記)
Scientific Reports of the Faculty of Agriculture Okayama University
23巻
1号
出版者
岡山大学農学部
出版者(別表記)
Faculty of Agriculture, Okayama University
開始ページ
1
終了ページ
6
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029
資料タイプ
紀要論文
言語
日本語
論文のバージョン
publisher
査読
無し
Eprints Journal Name
srfa