Eprint ID
240
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タイトル(別表記)
On the Influences on a Mole Drain Hole in Paddy Field by the Operation of a Tractor : Investigation of the Physical and Mechanical Characteristics of Poldered Paddy Fields in Kojima Bay (II)
著者
小橋 英夫 岡山大学
長堀 金造 岡山大学
荻野 芳彦 岡山大学
抄録
干拓地水田土壌に施工したモグラ暗渠は機械を導入することによってモグラの機能が阻害され,排水不良になるのでどのような機種が何回走行した場合にどの程度モグラ暗渠の渠孔に影響を及ぼすか,その実態を明らかにするためにまずFordson DEXTAを選定し,モグラ暗渠直上を種々の回数に走回させたその結果,次のような事柄を明らかにすることができた. 調査したモグラ暗渠は地表面下35cmの所に方金工しており,自然状態のモグラ渠孔断面は63.62cm2(約9cm径の渠孔)のものがトラクタ1回の走行で97%つぶされ,3回の走行で完全に渠孔は破壊されてしまうことが明らかとなった. 一方,一軸圧縮強度試験においては,表土については走行回数が2回で未攪乱土のquは0.71kg/cm2,3回で0.65kg/cm2,4回で0.54kg/cm2であった. また攪乱すると強度は低下し,2回で0.19kg/cm2,3回で0.22kg/cm2,4回で0.20kg/cm2であった. 一方,心土については1回走行で未攪乱土が0.4kg/cm2,攪乱土で0.05kg/cm2,2回走行で未攪乱土0.28kg/cm2,攪乱土が0.06kg/cm2,3回走行では,未攪乱土0.27kg/cm2のものが攪乱すると軟化が著しくテストすることができなかった. また鋭敏比を検討すると心土については走行回数3回目で∞となっていることから,トラクタが3回走行すればこの干拓地の心士地表面下35cmの所は極めて軟化が著しく生じることとなり,モグラがつぶれることが力学的試験によっても実証されたものと考える. 以上によって本研究においてはDEXTAの走行回数とモグラ暗渠孔の断面変形の状況を明らかにしたが,その結果からモグラの施工位置は浅くても軟化の小さい土の強度が大きい層にもっていくことが指摘されるが,これについては今後,種々な深さにモグラ暗渠を施工して,どの深さに施工するのが最も有効であるか,走行試験と排水試験を併行しながら実証したいと考えている. おわりにのぞみ,本調査研究にあたり,現地では三宅助手に多大の御配慮と御援助をいただいた. 記して深甚の謝意を表する。
発行日
1968
出版物タイトル
岡山大学農学部学術報告
出版物タイトル(別表記)
Scientific Reports of the Faculty of Agriculture Okayama University
32巻
1号
出版者
岡山大学農学部
出版者(別表記)
Faculty of Agriculture, Okayama University
開始ページ
75
終了ページ
85
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029
資料タイプ
紀要論文
言語
日本語
論文のバージョン
publisher
査読
無し
Eprints Journal Name
srfa