Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

インスリン及びアミノ酸投与による牛のロース芯の脂肪交雑増進試験

和田 宏 岡山大学
奥島 史朗 岡山大学
湯原 正高 岡山大学
藤田 浩三 広島県畜産試験場
Djagra, Ida B. ウダヤナ大学
高 光斗 江原大学校
発行日
1993
抄録
この研究は肥育期間の最後の1カ月間におけるホルスタイン種の去勢牛および未経産牛を用い血中のグルコースおよびインスリンの濃度ならびに牛のロース芯における脂肪交雑に対する外因性アミノ酸,インスリンの効果を研究するために計画したものである.肥育牛の飼料投与前の血清中の糖レベルは42.1±14.1mg/dl,インスリンのレベルは40.9±14.0μu/mlであった. アラニン,アルギニン,ロイシン,およびグリシンの4種のアミノ酸,およびインスリン(清水製薬製,ウルトラレンテイスジリン)を用いた.アミノ酸100gまたは200gをグルコース100gとの組合せで30日間,牛に経口投与した.またグルコース100g,33日間経口投与の未経産牛に肥育終了前9日または24日間,インスリン400単位を連日皮下注射した. グリシンを投与した未経産牛の枝肉ロース芯の脂肪交雑の格付けは他のアミノ酸,インスリンなどの投与を受けた未経産牛のものより高かった.しかしながら著者らは結論としてグリシンの脂肪交雑形成効果を評価できなかった.本研究では血糖値(mg/dl)インスリン値(μU/ml)の比を糖-インスリン比とした.グリシンの投与を受けた未経産牛の糖-インスリン比は他の物質の投与を受けた牛よりも僅かに高かった.8号牛の高い糖-インスリン比は血糖濃度が高いというよりもむしろインスリンの低い濃度によるものであった.インスリンの注射は枝肉のロース芯の脂肪交雑に期待された望ましい結果を与えなかった。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029