Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

クチナシ果実の発育に伴うカロチノイドパターンの変化

市 隆人 岡山大学
片山 豪 岡山大学
多田 幹郎 岡山大学
発行日
1993
抄録
クチナシ果実中の主要色素であるクロシン(crocin:Digentiobiosyl 8,8’-diapocarotene-8,8'-dioate)の生合成についての知見を得ることを目的として,クチナシ果実の結実から完熟に至るまでの各発育段階におけるカロテノイド色素の含有量とその組成の変化を調べ,次の結果を得た. (1)肥大成長過程のクチナシ果実には殆どカロテノイド色素が認められず,成熟過程の開始後から生合成が始まり,完熟期にかけて急激な蓄積が起こった.そして,完熟期の乾燥果実は450mg%のカロテノイド色素を有していた. (2)成熟過程の何れの段階の果実にもβ-カロテンなどのC40-カロテノイドは少量しか含まれておらず,カロテノイド色素の大部分がクロシンを代表とするクロセチン(crocetin:8,8'-Diapocarotene-8,8'-dloic acid)の誘導体であった.そして,これらのクロセチン誘導体は何れも糖エステルであると推察された. (3)クチナシ果実の発育に伴うカロテノイド組成の変化を調べた結果から,クロセチン誘導体の幾つかは,クロシン生合成の中間前駆体であることが予想された。
キーワード
クチナシ果実
カロチノイドパターン
クロシン
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029