水稲をその生育途中から0.3% NaCl液を加えて水耕栽培し,幼穂形成期を過ぎてから p32を培養液に加え,吸收されたP32の行方を検索した.塩化物を生育初期から加えなかつたため,出穂期に茎葉,特に古い葉に多くClが残存し,従来の成績とは極めて異つた結果を得,ために所期の目的を達し得なかつたが次のような事実を認めた.即ち幼穂形成期以後に加えられたPも水稲によつて吸收利用されるが,水稲体内に多量のClが残存すると,根から茎葉内へのPの移行が妨げられ,特に古い葉の中のP32が少いという事実を認めた。