1998年の外国為替及び外国貿易管理法の改正(以降,外国為替及び外国貿易法に改名)により,それまで外国為替公認銀行に原則として限られていた外国為替取引が,あらゆる企業及び個人に解放され,自由に行うことができるようになった。
本稿は,まず課税当局の「外国通貨の譲渡による損益は雑所得に該当する」との見解の判断根拠を,国会における政府参考人答弁及び東京地裁令和5年3月9日判決から読み解き,そのうえで,1998年の法改正により外国通貨取引が対外及び国内において何人も自由に行うことができるようになったことから,外国通貨は支払手段として言わば価値の尺度として機能するようになり,資産の値上がり,値下がりを観念することができなくなった結果として,その譲渡による所得区分が譲渡所得から雑所得へと変化したとの結論を導くものである。