REPO

岡大三朝医療センター研究報告 61巻
1990-09 発行

群性膵炎の発症原因の検索中に発見された小膵癌の検討

松本 秀次 岡山大学医学部附属環境病態研究施設成人病学分野
越智 浩二 岡山大学医学部附属環境病態研究施設成人病学分野
田中 淳太郎 岡山大学医学部附属環境病態研究施設成人病学分野
立花 英夫 岡山大学医学部附属環境病態研究施設成人病学分野
妹尾 敏伸 岡山大学医学部附属環境病態研究施設成人病学分野
原田 英雄 岡山大学医学部附属環境病態研究施設成人病学分野
壷井 圭一 岡山大学医学部附属病院第二内科
三宅 啓文 岡山大学医学部附属病院第二内科
木村 郁郎 岡山大学医学部附属病院第二内科
Publication Date
1990-09
Abstract
急性膵炎の回復後その発症原因の検索において発見された小膵癌の3例を報告し,膵炎の発症原因の一つとして膵癌を常に念頭におく必要があることを強調した。またスクリーニング検査および精査において小膵癌を診断する手順について考察を加えた。症例1は初回発作の回復後に,症例2および症例3は再発発作の回復後に急性膵炎の発症原因の検索を目的に紹介された。いずれの症例においても血清腫瘍マーカーは正常植を示し,腹部USおよびCTは腫瘍から尾側の膵管の拡張を示したが腫瘍そのものは描出はできなかった。症例1ではERCP像から膵体部癌を強く疑い,症例2と症例3ではERCP像と細胞診陽性所見から膵頭部癌と確診し,手術を行った。腫瘍の最大径は症例1では0.9cm,症例2では1.5cm,症例3では2.0cmであり,いずれも転移を認めず根治切除可能であった。
Keywords
小膵癌 (Small pancreatic cancer)
膵癌の早期発見 (Early diagnosis of pancreatic cancer)
急性膵炎 (Acute pancreatitis)
ISSN
0913-3771
NCID
AN10084718
NAID