REPO

岡大三朝医療センター研究報告 57巻
1986-07 発行

膵外分泌機能に及ぼす加齢の影響 ―加齢と糞便中キモトリプシン活性―

松本 秀次 岡山大学医学部附属環境病態研究施設成人病学分野
原田 英雄 岡山大学医学部附属環境病態研究施設成人病学分野
越智 浩二 岡山大学医学部附属環境病態研究施設成人病学分野
武田 正彦 岡山大学医学部附属環境病態研究施設成人病学分野
田中 淳太郎 岡山大学医学部附属環境病態研究施設成人病学分野
森永 寛 岡山大学医学部附属病院三朝分院
吉田 光雄 岡山大学医学部第2内科
木村 郁郎 岡山大学医学部第2内科
Publication Date
1986-07
Abstract
膵外分泌機能に及ぼす加齢の影響を検討する目的で,健常人43名,非膵疾患患者41名,老人ホーム入居者39名を対象として比色法により糞便中キモトリプシン活性(FCA)を測定し,以下の結論を得た。1)FCAは逐齢的に低下し,60歳以上は60歳未満より有意の低値を示した。しかし,分布図のretrospectiveな検討からは,膵外分泌機能の低下は,実際には65~70歳あたりから明らかになることが示唆された。2)FCAの正常下限値を14.5U/gに定めたが,高齢者の診療にあたってはこの正常値のみを根拠にして疾病の有無を判定すべきではない。3)老人ホーム入居者のFCAは特に低値を取ったがその主要因は高齢者が多いためと考えられた。
Keywords
糞便中キモトリプシン活性 (Fecal chymotrypsin activity)
加齢 (Aging)
膵外分泌機能 (Pancreatic exocrine function)
膵 (Pancreas)
酵素 (Enzyme)
ISSN
0913-3771
NCID
AN10084718
NAID