ダウン症や知的障害に関する絵本は,物語を通した障害の具体例の提示や感情表現など,障害そのものに対する理解にとどまらず,障害者やその保護者・兄弟の理解と支援につながる教材であり,より一層の充実が求められる。また,障害理解の教材としての絵本と幼児を媒介する保育者には,絵本を読み聞かせるだけでなく,保育現場の事例と照合させ,幼児に対する個別的な障害理解の深化を促す声掛けや働き掛けなどの援助が必要となる。本研究において作成された絵本リストは,保育者による絵本選択や障害理解教育を支援すると考えられる。今後の課題は,保育の現場実践での具体的運用と環境整備の検討及び,保育者と連携した妥当性の検証である。また,障害に関する絵本は,描写されるエピソードや使用される言葉や漢字表記等から児童期以降の子どもを想定したものが多いと考えられ,幼児期からの障害理解教育の有用性を踏まえ,幼児を対象とした絵本の増加が求められる。
幼児期 (Early Childhood)
障害理解教育 (Education for understanding disabilities)
ダウン症 (Down Syndrome)
知的障害 (Intellectual Disabilities)
絵本 (Picture Book)