児童生徒の健全な発達を阻害する一要因として就学時期におけるセクシュアルハラスメント(以下,SH)がある。文部科学省(2020)は,児童生徒への性犯罪・性暴力を根絶するため,「生命(いのち)の安全教育」として教育・啓発を強化し,SH についても正しい理解と知識を促している。本論文では,就学時期におけるSH について,先行研究や取組の動向をまとめ,今後の研究課題について述べた。就学時期におけるSH は,その被害経験が自尊心や学習意欲に影響を及ぼす可能性が示唆されているが,その発生件数について政府による一律的な調査は行われておらず,各自治体教育委員会独自の調査結果および相談件数やわいせつ事例に係る懲戒免職処分の件数から推測するにとどまっていた。就学時期におけるSHの研究課題として,SH の発生頻度を把握することや,SH の被害経験と被害者の心理的または社会的な適応との関連について,統計的手法を用いて客観的に検討することが挙げられる。
セクシュアルハラスメント (sexual harassment)
ジェンダーハラスメント
ジェンダーステレオタイプ