Bulletin of Center for Teacher Education and Development, Okayama University (ISSN 2186-1323)
Published by Center for Teacher Education and Development, Okayama University

高等学校における地域課題探究ワークショップの意義 ―ファシリテーション能力の育成に焦点をあてて―

山田 凪紗 岡山大学大学院社会文化科学研究科
桑原 敏典 岡山大学学術研究院教育学域
発行日
2023-03-30
抄録
本研究は,高等学校の総合的な探究の時間などで取り組まれている地域課題探究学習について,そのねらいを生徒のファシリテーション能力の育成として捉え直そうとするものである。そのために,地域課題探究学習をワークショップの形式で実施している高等学校の実践を調査した。実際には,プログラムの企画・準備段階から実践までのプロセスに支援者として参画するとともに,全体司会やグループ活動のリーダーを務めた生徒に対してアンケートや聞き取り調査を行った。調査の結果,ファシリテーション能力の育成を行うことで,個人の成長や将来を見通した指導の実現に繋がることが明らかになった。また,地域住民や中学生,大学生といった普段の学校生活で関わらない人々とともにワークショップをおこなうことで,大学生から刺激を受けたり,中学生をリードしたりしなければいけないという環境の変化が,ファシリテーション能力の育成をさらに促進させると考える。
キーワード
ファシリテーション (facilitation)
地域課題 (community issues)
ワークショップ (workshop)
高等学校
地域連携 (community collaboration)
ISSN
2186-1323
JaLCDOI