教師の認知次元が,生徒との関係性や生徒の学級適応感にどのように影響しているのか,各認知次元ごとにその意味合いを確認することを目的とし,3学級の生徒と担任教師を対象として検討を行った。すべての認知次元が生徒の学級適応感や生徒との関係性に対し等しく影響力を持つわけではなく,特定の認知次元がキーとなっていることが示された。また,先行研究から示されているように,生徒認知次元の数が少ないと,1つの次元にいくつもの意味合いや働きが凝縮されるのに対し,3つ以上の認知次元を持つ場合には,各次元の役割は分化し,評価的意味合いを帯びない中立的で特徴記述的な次元も生まれることが確認された。中学校教師の生徒認知次元は小学校教師に比べ,より個性的で独自性の強い視点となっている可能性が示唆され,中学校以降の教師の生徒認知次元に関わる知見の拡大と,その実践的活用の可能性についての検討を進める必要性が示された。
教師用RCRT(RCRT for teachers)
学級適応(school adjustment)
Person-Environment fit(Person-Environment Fit)
生徒認知(perception for students)
教師-生徒関係(teacher-student relationships)