本研究では,「多様化する結婚」という日本の現状を踏まえ,結婚に関連する学習内容が,高等学校家庭科においてどのように扱われているかを分析することを目的とし,平成11,21,30 年版の『高等学校学習指導要領』と平成21 年版に基づいて構成された「家庭基礎」の教科書10 冊を用いて結婚に関連する学習内容を分析した。分析の結果,教科書には,『学習指導要領』に基づいて結婚等に関連する法制度の記述がみられ,結婚をめぐる現状や変化を反映した学習内容が取り扱われていることを確認した。一方,法律婚,事実婚,同性婚など結婚に関連する語句については,教科書によって内容の記載の有無に差がみられ,多様化している現状の理解に十分対応しているとはいえないことも明らかになった。
結婚(Marriage)
高等学校家庭科(High School Home Economics)
学習指導要領(Course of Study)
教科書(Textbooks)