教育学部生を対象とする教科横断的な科目『くらしと環境』の集中講義を,「多彩な季節感を育む日本の気象・気候系の特徴を理解し,それに関連した音楽や絵画等の内容との学際的繋がりを考える」というテーマで行った。日本の気象・気候系に関して,モンスーンの影響を受けた梅雨や秋雨の降水環境を含む六季のサイクルを具体的に強調するとともに,秋から真冬,真冬から春への遷移期である11月頃や2月後半〜3月前半に,独特な特徴を示して現れる『中間の季節』の存在にも注目させた。それらを踏まえて,唱歌に歌われている内容と季節やその移り変わりに関する事象や気象・気候の特徴との関わりを考える活動を行った。特に,『おぼろ月夜』で歌われている春の情景を踏まえて,「オリジナルストーリー」を作成する活動も行った。また近世・近代の日本画に表された季節感を鑑賞する活動と,抽象画のような色彩の組み合わせによって微妙な季節感を表現する活動も行った。更に本稿では,講義や簡単なデータ分析作業,創作活動の結果について,学生のレポート課題の記載内容や作品に基づく分析も行った。
日本の気候系と季節感 (Climate System and Seasonal Feeling around Japan)
教育学部生への学際的気象教育 (Joint Meteorological Education for Bachelor Students with Music and Art)
教科横断的学習
音楽・美術と理科との連携 (Joint Activity of Science Education with Music and Art)