19 世紀末に設立されたハワイのビショップ博物館において、20 世紀の終盤に発生した
先住民ハワイアンと博物館の間の文化政治的闘争は、2009 年に達成されるビショップ博
物館の展示大改変に象徴される脱植民地主義への一つのプロセスと位置づけられる。特
に「アメリカ先住民墓地保護再葬法」(Native American Graves Protection and Repatriation
Act、通称“NAGPRA”)の適用による遺物の返還運動をめぐってビショップ博物館とハワ
イ先住民の間で展開された議論は、文化の所有、モノの意味、収蔵物の解釈を巻き込み
ながら博物館という植民地主義の遺産を脱構築していく過程として観察される。