性暴力は、被害者の心身の健康状態に長年にわたって重大な悪影響を及ぼすことが知られている。本研究の目的は、日本における性暴力の実態を文献・資料によって調査し、性暴力を根絶するために求められる性教育を提議することである。内閣府が実施したアンケート調査によると、言葉による性暴力被害は17.8% 、同意のない性交等の被害は4.1%と報告されていた。被害を受けた場所は学校( 22.5%)が最多であり、加害者との関係は、「通っていた(いる)学校・大学の関係者(教職員、先輩、同級生、クラブ活動の指導者など)」( 36.0%)が最も多く、被害者の半数以上は誰にも相談していなかった。これらのデータは、学校においてこそ、性暴力を根絶するための性教育を実施すべきであることを物語っている。しかしながら、学習指導要領に「性的同意」に関する指導は含まれておらず、教科書の記述も極めて限定的であった。性暴力のない社会を実現するためには、幼少期から絵本等を用いた教育やロールプレイを通じた実践的学習が望まれる。