学校教育における今日的課題として,学校・家庭・地域相互の連携を目指した,子どもの食習慣を確立させるための食教育1)実践の充実が求められている。本研究では,これまでの食教育の理論と実践に関する先行研究の特質と課題を見出し,「学習者と人との関わり」を重視した食教育として,文化概念を中核に据えた就学前・初等教育における食教育の試みを理論的・実証的に考察することを目的とする。このうち,第Ⅰ報では,子どもの食教育に関する基本的価値認識の観点から,これまでにわが国でなされている食教育実践に関する先行研究の現状を明らかにしていく。