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ID 220
Eprint ID
220
FullText URL
Title Alternative
Studies on Silage-Making : VIII Feeding Values at Different Stages and the Optimum Stage of Italian Ryegrass for Silage Making and Hay-Making
Author
Sutoh, Hiroshi
Uchida, Senji
Komaguchi, Sadao
Abstract
畑地栽培のイタリアンライグラスについて,生草・サイレージ・乾草として利用する場合,これらの飼料価値・刈取適期などを知るため,4月13日より6月15日に至る期間に,10回刈りとり,収量を調査するとともに,成分を分析して,その養分収量を調査し,また4期にはヤギで消化試験を行なった.いっぽう乾草(1時期のみ),サイレージ(3時期)を調製して,それらの品質および栄養価値を検討した.その結果を要約するとつぎのようである.1)粗タンパク質含量は,若葉伸長期(4月13日)の23%から,植物の生育段階がすすむにつれて,次第に低下し,成熟期(6月15日)には5.2%になった.粗繊維含量はこれと反対に,次第に増加した.10aあたり粗タンパク質の収量の最高になったのは,出穂80%期であったが,乾物の収量は成熟期まで増加し続けた.プロビタミンAの収量は,出穂30%期が最高になった.2)若葉伸長期,穂孕期~出穂30%期,出穂80%~開花期,乳熟~糊熟期の4期について,ヤギによる消化率を査定した結果は,生育期のすすむにつれて,消化率は低下した.生草の乾物含量(x)と粗タンパク質の消化率(y)間には,有意な負の相関関係(r=-0.922;p<0.05)が認められ,回帰直線y=-1.42x+96.62が得られた.乾草調製の刈取適期は,出穂80%~開花期であることが推定された.3)イタリアンライグラス乾草に,1/9量のMoreaを添加してヤギに給与した結果,総合的には消化率の向上が観察されたが,粗繊維の消化率は向上をみなかった.4)穂孕期(出穂前),出穂開花初期,糊熟初期の3期に調製したサイレージの品質は,糊熟期のものが70点で,他の2期のものはいずれも品質はよくなかった.日乾・添加物の利用による調製の工夫が望ましい.プロビタミンAは埋蔵間,埋蔵量の70~80%が保存された.サイレージの消化率の査定の結果,生草の場合と同様,材料の生育期がすすむにつれて,消化率は低下するが,サイレージの品質も消化率に影響するように推察された.サイレージの品質・養分収量から考える場合,サイレージ調製のための刈取適期は糊熟期であるが,土地の経済面からは,穂孕期(出穂直前)がよいと推定された.5)生草とサイレージの有機物の消化率を比較した場合,わずかにサイレージのほうが劣り,粗脂肪・粗繊維ではサイレージのほうがまさるように推察された.粗タンパク質・純タンパク質では,サイレージの消化率が劣る.イタリアンライグラスにおいては,サイレージも乾草も,かなりな品質にでき上った場合は,有機物の消化率は,生草に近いものが得られるものと推定された。
Published Date
1967
Publication Title
岡山大学農学部学術報告
Publication Title Alternative
Scientific Reports of the Faculty of Agriculture Okayama University
Volume
volume29
Issue
issue1
Publisher
岡山大学農学部
Publisher Alternative
Faculty of Agriculture, Okayama University
Start Page
49
End Page
63
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029
Content Type
Departmental Bulletin Paper
language
Japanese
File Version
publisher
Refereed
False
Eprints Journal Name
srfa