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ID 9533
JaLCDOI
FullText URL
Author
Yamanaka, Yoshikazu Kaken ID researchmap
Abstract
国学思想において、このような被治者たるものの心構えが、政治論的文脈の中で説かれるようななったのは、前章で指摘したとおり本居宣長においてであった。すなわち、宣長は『古事記伝』において「政」という言葉について次のようにのべている、政は、凡ての君の国を治坐す万の事の中に、神祇を祭賜ふが最重事なる故に、其余の事等をも括て祭事と云 とは、誰も思ふことにて、誠に然ることなれども、猶熟思に、言の本は其ノ由には非で 奉仕事なるべし、そは天下の臣連八十伴緒の天皇の大命を奉はりて、各其職を奉仕る、是天下の政なればなり、さて奉仕るを麻都理と云由は、麻都流を延て麻都呂布とも云ば、即君に服従て、其事を承はり行ふをいふなり 即ち「政」は「奉仕事なるべし」とのべ支配を形成する命令と服従の二つの要素のうち、被治者における服従の側面から政治を基礎づけたのであった。命令と服従あるいは治者と被治者との関係は「身分制的」社会における「上と下」の関係に外ならないのだが、本節ではこの問題に関して宣長学における「世間の風儀」の意義を中心に考察していくことにする。
Keywords
化政期国学
藤井高尚
本居宣長
Publication Title
岡山大学教育学部研究集録
Published Date
1994-03-15
Volume
volume95
Publisher
岡山大学教育学部
Publisher Alternative
Faculty of Education, Okayama University
Start Page
77
End Page
85
ISSN
0471-4008
NCID
AN00032875
Content Type
Departmental Bulletin Paper
OAI-PMH Set
岡山大学
language
Japanese
File Version
publisher
NAID
Eprints Journal Name
bgeou