ホウレンソウのクロロプラストから精製したリポキシゲナーゼ標品についてβ-カロチンが及ぼす活性阻害と,そのときのβ-カロチン自身の褪色についてルティンと比較しながら検討した. 1.リポキシゲナーゼとβ-カロチンとの結合性はルテインと比較して弱く,そのためβ-カロチンによる活性阻害度も低い. 2.β-カロチンのリボキシゲナーゼによる褪色機構はルテインの場合と同じくリノール酸の存在を要するが,褪色速度は遅い. 3.高濃度のリノール酸によるβ-カロチンの褪色抑制もルテインと同じパターンを示すが,この場合リノール酸の比較的低い濃度から褪色阻害が起っている. これらの点からβ-カロチンはルテインとくらべてリポキシゲナーゼヘの結合性が小さいが,このことは1,2,3いずれの結果の主原因でもあると考えることが出来,カロチノイドとしての極性の相違が現われているものと思われる. したがってホウレンソウリポキシゲナーゼ活性に対するカロチノイドの阻害効果と,そのとき生じるカロチノイドの褪色及びリノール酸との関連性はルテイン,β-カロチン以外のカロチノイドにも適応されるものと考えられる。