Fujikawa, Kiyoshi
Faculty of Economics, Aichi Gakuin University
Ye, Zuoyi
School of International Business, Shanghai University of International Business and Economics
Published Date
Abstract
本研究では中国の二酸化炭素(CO2)の排出量変化がどのような要因で生じたかについて,産業連関分析の手法である「比例成長からの乖離分析」(DPG分析)を用いて明らかにした。対象期間は,2007 ~ 2012年と2012 ~ 2017年の2期間である。
各産業の生産量変化の要因は,両期間を通じて消費と投資がプラス要因で輸出はマイナス要因であった。後半期には消費要因が急拡大し圧倒的なプラス要因になった。その一方で投資要因は縮小した。中国経済は輸出主導型から内需主導型に変化し,内需の中でも消費主導型に転換していることがわかった。CO2排出量変化の要因は,両期間を通じて技術変化と排出係数変化のよるCO2削減効果が大きかった。部門別には,電力・熱供給産業でのマイナスが大きく,その他の中国産業でも省電力が進展した。前半期と後半期とを比較すると,全産業のCO2排出DPGのマイナス幅は後半期で拡大しており,各産業それぞれで省エネが加速度的に進んだことがわかった。
Note
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NCID
JaLCDOI