本研究では、近年、証券投資の分野において提案されているファンダメンタルインデックスが市場にもたらす影響に焦点を当て分析を行った。投資家毎にリスク評価の異なる条件下において分析を行った結果、(1)ファンダメンタルインデックスに基づくパッシブ運用が証券投資の手法として有効であること、(2)市場環境によっ
てはファンダメンタルに基づくパッシブ運用を行う投資家とリスクを過小評価する投資家が共存しうることなどの示唆に富む現象を見出した。更に、本研究では、投資家の予測精度に焦点を当てた分析も行い、その中で、市場環境によっては予測精度が悪い投資家が市場に存在し続ける可能性のあることなどの興味深い現象も見出した。