Annual Reports of Misasa Medical Center, Okayama University volume58
1987-08 発行
気管支喘息に対する温泉療法の効果が,これまでどのような評価方法により判定されてきているのかについて,若干の文献的考察を加えた。効果に対する評価方法は,臨床的評価と作用機序と関連した評価方法とに分けて考えることができる。臨床的評価方法としては,自,他覚症状の改善,同時に使用された薬剤の減量の程度,あるいは,肺機能検査の各パラメーターの変動の比較などの方法により行なわれている。一方作用機序と関連した評価では,喘息の発症機序とある程度関連した温泉療法の作用を中心に検討が加えられている。例えば,喘息の発症機序として重要な位置を占める免疫アレルギー反応,自立神経系,内分泌系などと関連した指標を用いて,その変動を観察することによって,効果を明らかにしようとする試みがなされている。これらの検討は極めて意義深いが,なお今後IgE系反応や気道の過敏性との関連
などについての追求が必要であるように考えられる。
温泉療法 (spa therapy)
気管支喘息 (bronchial asthrna)
免疫アレルギー反応 (immuno-allergic reaction)
自律神経系 (autonomic nerve)
内分泌系 (endocrine)