Annual Reports of Misasa Medical Center, Okayama University volume58
1987-08 発行
組織循環の良不良は,結合織の退行性病変の予後に大いに影響をおよぼすものである。人工炭酸泉を用いた実験的検討で,すでに組織循環の30 % 増加を認めており,臨床的治験により好傾向を示す結果を得つつある。結合織病変を主とする慢性疾患4症例の治験前後に局所組織流量を測定して評価することができた。局所組織流量は医用質量分析装置を介したオンラインシステムで測定計算した。人工炭酸浴は,炭酸ガスキャビン,および人工炭酸浴剤浴を用いた。人工炭酸泉浴は,1カ月より1年におよび,それぞれ自覚症状の著名な改善と,組織流量の増加を定量しえた。人工炭酸泉の連浴による組織流量の改善は、結合織の退行性病変に有効に作用するものである。