心疾患を有する患者では,その循環動態は種々の因子により容易に変化するものであり,一回の検査のみで決して正確にその患者の動態を表わしているとはいいがたい.この点コンピューターを用いたRI angio-cardiography(以下RCGと略す)は被曝線量も少く,生理的状態を損うことなく繰返し検査を行うことが出来る非観血的方法であり,心疾患者の術前術後の変化,治療経過観察に極めて有用である.従って,僧帽弁疾患におけるRCGによる右室,左室peak to peak time C(2)/C(1)比の解折は,上述の点後於て重要な臨床情報を提供すると考えられる.今回は僧帽弁疾患を中心としてこれらの点について若干の検討を試みた.