大学院に入学したが,まもなく大腸ガンと診断され手術,闘病生活に入った院生がいた。単身で在宅療養の後,家族による介護を受けた。ADLが低下して,日常生活が思うように送れないとき,ガンを患うことの苦悩と生活の質(QOL)の低下,院生としての信念の間で悩んだ。友人にメールや電話で語りかけることで,自分のスピリチュアリティを表現していた。社会と関わることで,自分の存在を確認し,大学に復帰する希望を持ち続けることができたと思える。彼女がスピリチュアリティを高く保つことができたのは,家族の支援と友人や保健医療関係者との交流が関係していた。