本稿では開化期の日本語学習書である『日本語独案内』(1895)に関して、その構成、韓国語の特徴、本書の基になっていると考えられる『日韓會話』(1894)と異なる日本語の単語や表現などを考察する。本書は日本語学書でありながら、その韓国語は同時代のほかの韓国語学習書と比べても同時代の韓国語を良く反映していると思われ、言語学的な価値を持っているといえる。また、『日韓會話』(1894)は本書の他にも『旅行必要日韓清對話自在』(1894)の定本にもなっており、『朝鮮語学独案内』(1894)との関連性mおうかがえる。今後、明治期のほかの韓国語学習書や韓国人のための日本語学習書を総合的に考察することで、現代韓国語の形成過程を寄り明らかにできると期待される。