谷川俊太郎の詩が合唱曲の歌詞として,なぜ多くの作曲家によって取り上げられているのか,また,その詩は音楽とどのようなつながりを持つのかについて検討した。その結果,前者については,谷川の詩が,一文が簡潔であること,ことばにリズム感があること,誰もが体験する内容をわかりやすい言葉を用いていることで共感を得やすいことがその原因であることがわかった。後者については,谷川の同一の詩に異なる作曲家が作曲した合唱曲を試聴することにより調べた。その結果,作曲者が異なっても,試聴者は詩に対して共通のイメージを持つこと,それぞれの作品の特徴を的確に捉えていること,更に,作曲者は,時代による音楽環境の変化を捉えた表現方法をとっていることがわかった。