岡山大学教育学部附属教育実践総合センター Acta Medica Okayama 1346-3705 10 1 2010 高度な専門性と実践的な指導力を有する教師の育成プログラム「教師力育成講座」の開発 −学士課程教育の構築に向けて− 87 94 EN Yasumichi Matsubara Masafumi Yanagihara Fumio Yamane Kiyoshi Ogawa Mitsuhiro Yamasaki Kazuhiko Kasahara Katsuhiko Kida 学級崩壊,心の病に陥る教師,増えるクレーマー等々の現実に,学生たちも教員採用試験に合格してから,教壇に立つことの責任の重さ,自分の指導力の未熟さを痛感し,押しつぶされそうになる。この状態を少しでも克服していくため教師力育成講座を開講することとした。不易と流行の両方の観点から具体的な教育課題を現職の小・中学校長に提案してもらい,それらの課題解決を通して教師力を育成していくことを目指す。また,他学部の教員志望学生や大学院生等にも参加を呼びかけ,志を一にする学生同士が互いに切磋琢磨し,より幅広い確かな教師力の育成に資するものである。 No potential conflict of interest relevant to this article was reported. 教師力 (abilities required for teachers) 実践的な指導力 (practical leadership capabilities) 現職校長 (individuals currently serving as school principal) 教育課題 (educational challenges)
岡山大学教育学部附属教育実践総合センター Acta Medica Okayama 1346-3705 10 1 2010 高等学校普通科におけるキャリア教育に関する実践研究 105 116 EN Katsuhiko Kida キャリア教育の重要性が唱えられるようになって久しいが,高等学校普通科におけるキャリア教育は,充実しているとはいえない状況にある。本研究では,高等学校普通科においてキャリア教育を推進するための方策(ツール)を開発・実践し,その効果を検証することを目的とした。職業に関する情報「Job News!」を作成し,約4ヶ月間ほぼ毎日,協力校の高等学校1 年生122名に提供した。各職業について生徒が評価した結果を,生徒用の個人票や教師指導用の資料としてフィードバックした。本実践の前後における生徒の意識の変容等を調査するために,「職業レディネス・テスト」及び結果についてのアンケート調査を行った。その結果,本研究で開発したツールは,高等学校1 年生に提供する内容として適当であり,生徒の知らない新しい情報を伝える手段として有効であることが明らかになった。また,ツールの使用によって,生徒の職業的興味・関心が広がり,自己理解が深まる可能性が示された。 No potential conflict of interest relevant to this article was reported. キャリア教育 (career education) 進路学習 (career learning) 進路指導 (career guidance) 職業情報 (vocational information) 高等学校普通科 (general course in senior high school)
岡山大学教育学部附属教育実践総合センター Acta Medica Okayama 1346-3705 10 1 2010 理想の教師像についての調査研究(1) -大学生の考える理想の教師像- 63 70 EN Fumio Yamane Yuichi Furuichi Katsuhiko Kida 教師に求められる能力,態度等について検討するため,岡山大学教育学部等に在籍する学生を対象に調査を実施した。調査では,岡山大学教育学部教員養成コア・カリキュラムにおいて育成を目指している4 つの力,岡山市教育委員会が設定している教職員に求める資質能力,岡山県教育委員会が設定している教員像をもとに作成した20の項目について,各内容の重要性の程度の評定を求めた。その結果,「子どもとのコミュニケーション力」や「子どもの変化に気づく力」などの評定値が高く,学生たちは,これらの能力,態度等を教師に求められるものとして重視していることが明らかにされた。ただし,評定結果は,学校種により異なり,「わかりやすい授業をする」については中・高校教諭を志望する学生の評定値が高く,「子どもとのコミュニケーション力」や「だれに対しても笑顔で明るくかかわる」などについては幼稚園教諭を志望する学生の評定値が高かった。 No potential conflict of interest relevant to this article was reported. 理想の教師像 (ideal teacher) 教師に対する期待 (expectation for teachers) 教師の適性 (aptitude for teachers)
岡山大学教師教育開発センター Acta Medica Okayama 2186-1323 3 2013 理想の教師像についての調査研究(2) : 学校長等のインタビューから 90 97 EN Fumio Yamane Katsuhiko Kida 10.18926/CTED/49509  岡山市内の幼稚園・小学校・中学校・高等学校及び特別支援学校の校長等に行った「理想の教師像」についてのインタビューにおける発言内容を分析し,新採用教員等若い教員に求める資質能力を明らかにした。また,学校長等の発言内容を中教審答申「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策」において示された資質能力に基づいて分類し,校種間での比較・検討を行った。その結果,全校種の学校長等が重要であると考えている資質能力は,「総合的な人間力」のうちの「豊かな人間性や社会性」及び「コミュニケーション力」であった。幼稚園長・小学校長の発言には,「教職に対する責任感,探究力,教職生活全体を通じて自主的に学び続ける力」に分類された言葉が多かったのに対し,中学校長・高等学校長の発言には,「専門職としての高度な知識・技能」に分類された言葉が多かった。 No potential conflict of interest relevant to this article was reported. 求める教師像 学校長 資質能力 新採用教員 インタビュー
岡山大学教師教育開発センター Acta Medica Okayama 2186-1323 1 2011 高度な専門性と実践的な指導力を有する教師の育成プログラム 「教師力育成講座」の開発(2): 学教職課程の構築に向けた教職相談室機能の拡充 69 76 EN Yasumichi Matsubara Fumio Yamane Kiyoshi Ogawa Eiji Egi Kayoko Soda Mitsuhiro Yamasaki Kazuhiko Kasahara Hiroshi Takahata Katsuhiko Kida 10.18926/CTED/44378 岡山大学教師教育開発センターは,教職支援部門を中心として前身の岡山大学教育学部附属教育実践総合センターから取り組んできた「高度な専門性と実践的な指導力を有する教師の育成プログラム(教師力育成講座)の開発・実践を行っている。受講生に対するアンケート調査の結果から,本年度の講座も学生のニーズを的確にとらえた,質の高い内容を提供できていることが明らかになった。センターの全学化に伴い,昨年度は全体で4名であった他学部の受講生が,本年度は25名に増えた。講座の在り方を見直すための新しい視点として,講師を担当した校長先生からの意見聴取を行ない,これまでの取り組みを再検討した。その結果,学生自身の「気づき」に重点に置いた新しい全体構想図を作成した。 No potential conflict of interest relevant to this article was reported. 教師力 (abilities required for teachers) 実践的な指導力 (practical leadership capabilities) 現職校長 (individuals currently serving as school principal) 学生同士の討論 教育課題 (educational challenges)
岡山大学教師教育開発センター Acta Medica Okayama 2186-1323 1 2011 大学と学校園現場との連携に関わる調査研究 : アンケート調査からの考察 85 92 EN Fumio Yamane Katsuhiko Kida 10.18926/CTED/44380 学校園現場と大学の連携協力をより充実させていくために,「学校園現場が大学や大学教員に期待している事は何か」など現場の生の声を把握することを目的としてアンケート調査を実施し,回答についての分析・考察を行った。調査対象は,平成21年度に「いきいき学校園づくり」事業に指定された岡山市内9中学校区の幼稚園・小学校・中学校49校園の校園長と研究主任(幼稚園は主任)とした。その結果,大学教員に対しては「授業づくり」「教科・領域の専門性」「生徒指導・教育相談」等について,学校園現場の実態を踏まえた具体的な指導・助言を期待していることが明らかになった。大学生・大学院生(以下大学生等)に対しては「個別の幼児・児童・生徒」「教科指導」等についての支援を学校園が期待していることが明らかになった。また大学生等が支援に入る際には,継続して参加すること,各学校園及び幼児・児童・生徒の実態を把握すること,積極的に関わっていくこと等の姿勢が重要であることが示された。 No potential conflict of interest relevant to this article was reported. 大学との連携協力 (cooperation with university) 大学に対する期待 (expectations about university) 学校園現場の実態 (reality of schools)