Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

ラット小腸粘膜レチナール還元酵素活性の測定法の確立と酵素化学的性質

高木 茂明 岡山大学
藤井 佑子 岡山大学
木村 吉伸 岡山大学
抄録
ラット小腸粘膜のレチナール還元酵素(RRase)のin vitroにおける活性測定法を確立すると共に,その系におけるレチナールの還元及び酸化反応について調べた.小腸のRRaseは摂取されたβ-カロテンなどプロビタミンAから生じるレチナールをレチノールに変える作用が主たる役割と考えられる酵素である.小腸粘膜ホモジェネートを用いてin vitroでRRase活性を測定すると,比活性の再現性が乏しく,またホモジェネート中でのRRaseの速やかな失活が起こる.これを防ぐためには,酵素調製用緩衝液にニコチンアミドやNADHなどのニコチンアミド誘導体を2mM以上加えるのが有効であることを見いだした.最適pHは4.3,cofactorとしてGSHを要求する点はすでにGoodmanらが報告している通りであるが,GSH以外のチオール試薬もGSHと同様に有効であった.EDTA添加によって活性を殆ど失うが,Ca2+,Mg2+の添加で活性が回復することから,これらが金属イオンとして要求されていると思われる.RRaseのkm値は83.3μMであり,200μM以上のレチナールを用いて活性測定を行うと120minで基質レチナールの40%以上が還元される.このことは,レチナール還元反応がレチノール生成に大きく傾いた反応であることを示すものである。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029