Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

植物の耐塩性と無機養分の吸収について

下瀬 昇 岡山大学
関谷 次郎 岡山大学
抄録
植物の耐塩性を調べるため,39種類の植物を用いて,NaCl,およびNa2SO,で塩処理(0~60meq/l)を行い,成育に対する影響,体内無機成分含量について検討した.その結果,アツケシソウは例外的に高塩濃度で成育が著しく促進され,NaとClあわせて乾物重の50%以上を占めた.植物の成育から耐塩性を判断した場合,耐塩性の強い植物として,ワタ,イタリアンライグラス,ハツカダイコン,ハゲイトウ,ホウレンソウ,アシ,イグサなど14種類があげられる.中程度の耐塩性を示す植物はセルリー,カブ,オクラ,アスパラガスなど14種類であった.耐塩性の弱いものはキュウリ,ナタネ,タバコ,シソなど11種類であった.これらの植物の茎葉のNa含量は0.8~8%(アツケシソウを除く)まで分布し,K,Ca,Mgの吸収が阻害されていた.しかし耐塩性(成育の阻害)とNa含量,あるいはK,Ca,Mgの吸収阻害の間には相関性は認められず,今後,耐塩性の機構についての検討が必要である.塩類処理による果実や子実の成育阻害は,茎葉のそれより影響が大きかった。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029