Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

スギ肥培木の材質に関する研究 (第2報)スギ肥培木の年輪構造

石川 達芳 岡山大学
畔柳 鎮 岡山大学
抄録
この研究はスギ肥培木の材質に関する研究の一部であるが,材質の基礎的要索である年輪構造について細胞構造の上から肥培木と無施肥木を対比して検討したものである.(1)測定の方法は各供試木の胸高(1.2m)から採取した円盤から木口面の切片を造り,この切片の連続顕微鏡写真を拡大して,読取顕微鏡を用いて測定した.測定要素は,1年輪を構成する細胞数,晩材,早材細胞数,細胞の木口面における切線方向(t),半径方面(r)の径,および細胞空隙の半径方向の径等である.(2)年輪巾の広狭と細胞生長数の関係(R1)および年輪巾の広狭と早材細胞数の関係(R2)は第1図に示されるように共に直線的関係を示し,しかも両者は略々平行線で示される.すなわち年輪巾の広狭は早材細胞の数の多少によって支配されている.(3)年輪巾の広狭と晩材細胞数の関係は,第2図に示されるように細胞数比をとると指数曲線y=bedxの型で示されるようで,年輪巾が広くなるにつれて,晩材細胞比は急激に低下し,或る年輪巾以上になるとこの比は余り変らない.しかし偽年輪細胞数を加えて,厚膜細胞数比と年輪巾との関係は上記の指数曲線より傾斜がゆるやかとなる.(4)早材,晩材,および偽年輪細胞の形を扁平率(r/t)でクラス分けして,偽年輪細胞の位置づけを示すと第3図となる.(5)年輪巾の広い材(肥培木)では偽年輪本数の増す傾向を認めるが,さらにF7,F8では着色生長帯も認められた。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029