Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

妊娠期におけるモルモットの骨盤の弛緩

和田 宏 岡山大学
湯原 正高 岡山大学
抄録
1)妊娠および分娩後の種々の時期に於けるモルモットの骨盤のレントゲン写真につき,第1図に示した4径を計測し,それらの結果から妊娠期間に於ける骨盤の形態的変化を考察した. 2)腸骨外側間最短距離の妊娠中に於ける増加は他の3径の増加よりも小さく,分娩前後の数日を除いては殆んど一定であつた.一方,恥骨縫合面間距離の増加は他の3径のそれよりも遙かに大きかつた.坐骨端間距離は分娩前後数日間のみは坐骨前部間距離よりも大きかつたが,その他の時期に於ては前者は後者よりも小さかつた. 3)妊期の進むにつれて骨盤の上横径は殆んど変らないが下横径は著しく大きくなるように思われた.これらの結果からモルモットでは妊娠中に仙腸関節の弛緩は殆んどおこらないように思われた. 4)恥骨の離開は妊娠4週の初めに見付けられる.そして比の時期はZARROWによつて報告せられている血中にリラキシンの出現する時期と一致した. 5)分娩直前および娩出過程に於て生ずる恥骨の極端な分離は,かなり速やかに復旧し,縫合部は2,3週間以内に安定した状態になる.しかしながら分娩後のモルモットの縫合は処女の状態にはかえらない.恥骨縫合は分娩後16日前後に再び軽く分離する傾向があつた.モルモットの性週期は平均16.5日であるので,この分離の傾向はエストロゼン分泌の再開を示唆するものである。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029