Scientific Reports of the Faculty of Agriculture, Okayama University
Published by the Faculty of Agriculture, Okayama University
ONLINE ISSN : 2186-7755

異常高温が生き残り昆虫個体及び其の子孫の生理・生態的性質に及ぼす影響に関する実験的研究

清久 正夫 岡山大学
抄録
本研究は処理区も対照区も共にアズキゾウムシCallosobruchus chinensisの雄雌一対定温飼育によつて親世代を高温処理した後の生き残り固体及び其の子孫の繁殖能力,生活力及び抵抗力がどの様に変化するかを調べたものである. 1. 繁殖能力として一雌当り産卵数は処理された生きのこり個体では少ないが,その子の世代(F1)では逆に増加する.処理後生きのこり個体より生じたF1世代の性比は雌の割合がかなり少ない.これら子孫(F1及びF2)の発育期間はやや長い傾向を示すがその増加の程度はさほど大きくない. 2. 個体の生活力として発育期間中の発育率及び成虫の寿命を調べた結果,処理された固体の子の代(F1)では前者は普通か幾分高いがその次の代(F2)では低下する.後者は処理されて後生き残つた個体は明らかに長<生きられ,その子の世代(F1)では寿命が短縮する. 3. 抵抗力として成虫の高温抵抗の指標と成虫体重を調べたが,処理した生き残り個体は明らかに高温に対する抵抗力が強い.然しそれらの子の世代(F1)では雄は尚強いが雌はそうでなく寧ろ弱い.体重は処理後生きのこり個体がやや重い様に見えるが大きい差ではなく,又その子孫にも大きい差異は見られない. 4. 親世代の高温処理にもとずく昆虫の諸性質の変動は処理した世代とその子世代に明らかに現われるがその次の代即ちF2世代には一部例外はあるが余り明らかに現われない。
ISSN
0474-0254
NCID
AN00033029