Studies on North-East Asian Economics
Published by Graduate School of Humanities and Social Sciences, Okayama University

中国経済の現在の発展段階及び東アジア経済協力における新たな地位

趙 偉 浙江大学
抄録
東アジア経済協力を論ずる際に、中・日・韓三国の役割を忘れてはならない。特に中国という要素を忘れてはならない。また東アジア経済協力における中国という要素を論ずるに当たって、一つの現実的問題-すなわち、最近20年以上にわたる中国経済の非常に急速な成長-を見逃してはならない。この中国の急速な成長は、積極的な対外開放戦略に大きく依存して実現されているからだ。東アジア経済協力における中国の地位と役割には、大きな変化が生じつつある。この点には疑問の余地はない。これは近年東アジア経済界で関心が高まっている問題の一つでもある。しかし、これまで上記の問題を論じる際には、学界・実業界・政界のいずれにあっても、誰もが例外なく中国経済を (人口や国土面積などの)外面的要素から判断しようとしたことに留意しなければならない。言い換えれば、中国以外の東アジア経済と比較した中国経済の規模から始まり、その影響力、ひいては東アジア経済協力における新たな地位について、外面的要素から判断しようとしたのは留意すべきことである。一つの経済の外部に対する影響力は、その経済の外的な規模に限られるわけではなく、内部の社会経済発展と変化によっても決定される。この点を認識できなければ、例えば、人口も国土面積も中国の最も小さな省より小さいスイスという国の世界と地域に与える影響力が、多くの中進国よりも大きい、という事実を理解できないだろう。 このような認識に基づき、筆者は本論文で中国経済の内的発展段階の分析を出発点に、中国経済の東アジア経済協力における新たな地位と展望について論じたい。
ISSN
1880-8476
NCID
AA11923321