Studies on North-East Asian Economics
Published by Graduate School of Humanities and Social Sciences, Okayama University

中国における企業財務・会計の法制

張 紅 岡山大学
抄録
中国新会社法の施行は、社会主義市場経済の発展に対して大きな影響を与えている。その現象の一つは、中国国内における会社の種類と数量が急増していることである。これまでの会社、或いは広範囲での企業分類を見ると、企業の所有制と責任態様によって 2種類に分けられ、前者は計画経済に適応させるための分類として、後者は社会主義市場経済に適応させるための分類として一般的に解されている。 ところで、どのような種類の企業であってもその正しい損益計算に基づいて株主に適正な利益を配当することは最重要課題であり、また、企業を取り巻く多くの利害関係者からも、会社の財務状況や収益力を定期的に公開することが要請されている。 これらの課題や要請に対応する法令として、中国には「中国会計法」のほか、「企業財務通則」、「企業会計準則」、「企業会計制度」、「企業財務会計報告条例」などがある。企業は、その法律、行政法規および国務院財政主管部門の規定に従い、自社の財務、会計制度を確立しなければならない (会社法164条)。 企業財務と会計は、経営目的を達成するための経営活動と資産運営状況を記録、計算、管理するものである。しかし、これまでの企業財務と会計が、政府の直接的なコントロールの下で、不透明かつ閉鎖的だったことから、現在もなお市場経済に対応しきれないという中国特有の問題も残っている。これらのことから、本稿では企業財務・会計に関する法改正の背景、特に最低資本金に関する学説上の議論と立法機関の見解を分析する必要があると考え、新法上の問題などを検証したい。
ISSN
1880-8476
NCID
AA11923321