本原稿では、文学作品に現れた音を素材に音楽作品の創作を試みる。事例研究として現代の女流作家、吉本ばなな『キッチン』と『TUGUMI-つぐみ』をとりあげこれらの作品に出現する音を素材にボイスプロダクションの創作を行った。まず、授業対象のオノマトペに対する感受性を喚起することを目的に、吉本の『キッチン』『TUGUMI-つぐみ』から抽出した文章に出現する物音をオノマトペで表す実験的なアンケート調査を行い、回答者のオノマトペ把握について分析・検討した。次に、それらのオノマトペを素材にボイスプロダクション創作の授業実践を行い、作品について分析・検討した。
吉本ばなな (Banana Yoshimoto)
『キッチン』 (kitchen)
『TUGUMI-つぐみ』
オノマトペ (onomatopoeia)
ボイスプロダクション (voice-production)