Proceedings of Okayama Association for Laboratory Animal Science
Published by Okayama Association for Laboratory Animal Science

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実験動物を用いる実習における3Rs 実践の試み -マウス、ラットの飼育、保定、注射、解剖に向けての予備トレーニング-

臼田 俊樹 広島アニマルケア専門学校動物看護コース
古本 佳代 広島アニマルケア専門学校動物看護コース
北 德 倉敷芸術科学大学動物生命科学科
発行日
2015-04
抄録
広島アニマルケア専門学校では、動物看護コース3 年課程(動物看護師志望者と実験動物技術者志望者が混 在)の3 年次に実施する実験動物学実習に際して、動物福祉の観点から動物に与える苦痛を可能な限り少なく できる実施法を模索してきた。実際に生きた動物を用いる実習を行う前に、いくつかの予備トレーニングを取 り入れた3Rs 実践の試みである。具体的には、ケージ取り扱い練習、先鋭器具取り扱い練習のための雑巾縫 製、保定練習を目的とした軟質ボールによる手指トレーニング、自身の皮膚摘まみ練習、鉛筆や鶏手羽先を用 いた注射器具使用練習、そして餃子の皮、鶏皮、鶏手羽先を用いた解剖器具使用練習などである。これらの取 り組みそれぞれが、果たして効果的であるかどうか検証できているわけではないが、学生の取り組みを間近で 観察した立場から、感覚的には効果を実感している。また、予備トレーニングは、動物に与える苦痛を軽減す ることを最大の目標とするものであるが、一方で、動物を用いた実習に臨む学生の心理的準備を促す効果もあ るように感じている。実験動物技術者や動物看護師養成課程、コースが、大学や専門学校に設けられ、そこに 多くの学生が学んでいる現在、動物を用いた実習のプログラムを動物実験倫理・動物福祉の観点からさらに洗 練させることが望まれる。そのプログラムの一部として、われわれの予備トレーニングの取り組みを紹介した。
備考
寄稿 (Contributions)