Okayama Economic Review
Published by the Economic Association of Okayama University

Online ISSN 2433-4146
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中国と日本の経済構造および相互依存関係の変化―1990-1995-2000年接続中日国際産業連関表を用いて―

滕 鑑 岡山大学
抄録
中日関係は現在,「政冷経熱」(政治関係は冷え込むが,経済関係は熱い)の状態にある。中日間で政治関係を改善するための糸口がいまだ見えていない中で,経済関係はさらに過熱の様相を呈している。2005年には,日本の対中直接投資が前年比19.8%増の65億3000万ドル(実行金額・受け入れベース)になり3年連続で過去最高額を更新し,また,対中貿易額も前年比12.4%増の24兆9491億円に達して,中国は2年連続でアメリカを抜いて,日本にとっての最大の貿易相手国となった。中日経済の 依存関係の安定的かつ持続的な発展は両国間の経済利益はもとより,政治関係の改善にも寄与するに違いない。上述の問題意識を持ちつつ,本稿では,中国と日本の経済構造および両国の相互依存関係の特徴,そして近年(1990-2000年,以下同じ)における変化を明らかにする。この分析作業は1990-1995-2000年接続中日国際産業連関表(以下,接続中日表)によるものとする1。同接続中日表は多岐にわたる統計情報を利用して推計,作成されたものであり,中日経済の産業連関分析を通じてこのデータベースは実証分析に耐えられるか否かをテストするのが本稿のもう一つの目的である。以下,まず,中日の経済構造の特徴を比較し(第1節),次いで中日経済の分業構造を明らかにする(第2節)。その上で中日経済における相互波及・誘発効果を分析して(第3節),最後に本稿の結果をまとめる。
備考
本稿は,学術振興会科学研究費補助金(平成17年度,基盤研究(C),課題番号17530179)および岡山大学特別配分経費(平成17年度)による研究の一部である。
ISSN
03863069
NCID
AN00032897